2022年4月6日水曜日

[ふるさと納税]の光と影

       ◆偏在が著しい 制度に
ふるさと納税の全国ベースのバランスシートをみると、「地域間格差の是正」という狙いとは違う様相が見えてきます。北海道、宮崎県など地方の市町村の集め方の上手な20自治体で受け入れ額の約2割を占める。他方、税額控除(流出額)は神奈川、東京、大阪府などの20の市区が約25%を占めています(20年度)。流出額は政令市、特別区など住民税の平均4.4%に当たります。この分を地方交付税で75%補填するという奇妙な制度が後ろに隠れていますが、これも富裕団体と言われる不交付団体はこの補填もありません。
 東京都(区市町村を含め)から1000億円(全体の約25%)流出していますが、それが地方に公平に分配される訳ではなく、特定の地域への偏在が著しい形です。また、ある新聞社の調査によると、寄付額から住民税の減収額と返礼品に係る経費を除くと「赤字」になる自治体が2割を超えるともされています。
       ◆ 新たな制度の創設を
 10年以上経つこの制度。地方税の租税原則(応益負担)にも反する「ふるさと納税」を地方間の財源調整に使う、しかも野放し自由競争のようにしている形は、寄付文化の醸成にもつながらないので、ここは岸田政権でキチッとリセットするか廃止して違う方法を考えた方がよいのではないでしょうか。
 イメージだけデジタル田園都市国家構想などと言わないで、ほんとうに都市と農村が共存共栄できる税社会システムを構想する、そこに期待したいのですが。如何なものでしょうか。
♯ふるさと納税
 https://www.sasakinobuo.com/

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