2026年4月14日火曜日

分権国家化に逆走する政府姿勢への危惧

 

分権国家化に逆走する政府姿勢への危惧

 下記の「穂坂邦夫氏の論稿」(日本自治創造学会メールマガジン115号、2026.4.14)は、まさに今の日本の地方自治と国の関係を「改革の視点」から適確に表現していると思う。土木系技術職員が圧倒的に少ない市町村をみて、県に権限を逆に移すべきとか言う理由での集権改革への動きが、第34次地制調などでも強まっている。ここは踏みとどまって考えるべきと思う。 

忘れられた地方自治は民主主義の学校〟(穂坂邦夫論稿)

 地方自治は民主政治の最良の学校であり、成功の最良保証人である地方自治こそが民主政治の基礎であるとイギリスの政治学者であるブライスの「近代民主政治」の中での教訓は誰もが知っています。

 大手新聞社の論説に「地方分権は限界にきている」という見出しを見つけました。驚いて、何かと思って内容を読みましたら「地方に出来ることは地方にというスローガンの下、長年に渡って地域の自主性を高める改革が行なわれてきた。しかし人口減少と高齢化が進んだ今、小規模な市町村で様々な業務を担う余裕がなくなりつつあり、国と地方の関係がどうあるべきかを問い直す時期を迎えている。小さな自治体は自力で行政の機能維持が出来なくなる恐れがあり、政府は業務の一部を国や都道府県が担うことなどを盛り込んだ改革(案)を2027年度までにまとめる予定である」と、これを是認する姿勢と方向性を明らかにしています。

 この論説や解説にはいくつかの疑問点があります。これまで地方にとって真の分権改革が今までに行われてきたと考えているのでしょうか。甚だ疑問です。今までの改革は常に対処療法的な手法を繰り返してきました。真の分権改革とは程遠いものです。財源と権限にはふれることなく、具体的には地方交付税制度や全ての補助金制度を温存したままであり真の改革と言えないものでした。今回のマスコミの論説はこれらにふれることもありませんし、国と地方のあり方についても議論すらされていません。今まで通りの小手先の改革を是認しているのが今回の大手マスコミの姿勢です。特に論説記事はそれぞれのスペシャリストが目を通しているものであり、本質にふれることなく、国の方針と小手先改革を是認していることに大きな驚きを感じています。国と地方のあり方や分権の意義など、なんら気にしていない姿勢にも驚愕しています。マスコミは民意をリードする力を持っているから尚更のことです。

 これから日本の統治機構はどうなっていくのでしょうか。心配です。私達は様々な機会を通じて地方自治の大切さを訴えていかなければなりません。自治体はひとつひとつの力は弱くても町村会や町村議長会をはじめ市も県もそれぞれ、補助機関を有しています。特に地方議会は国と地方のあり方について強い関心をもっていかなければ国家の基盤となる民主主義のあり方が問われていくことになのではないでしょうか。「地方自治は民主主義の学校」だと言われたことをしっかり思い起こすことが求められています。

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