2026年10月19日月曜日

 

 

             副首都法の「政令」について問う 

 首都が大災害に遭った時、それを代替、補完する都市を他の地域に用意する。これに関わる法律が先の第122特別国会(7月24日)で「国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律(令和8年法律第78号)(略称:副首都法)として成立し、7月31日に公布された。維新・自民の共同提案による議員立法だが、さらにこの法律の実施に向けた「政令」案が10月2日に公開され、パブリックコメント言いま付されている。それを経て10月下旬に政令として正式に公布し、11月に副首都のあり方に関する基本方針の考え方を公表するとされ、自治体から地域指定の申請を受け、来年10月までに基本方針を取りまとめる方針という。

 だが、政令を見る限り、中身は以前不明な点が多い。具体化されつつある「副首都構想」とその法律については、ほとんど国会論議も世論での議論もないまま、自民・維新の連立政権の約束ごとだという維新の主張を丸のみする形で先の特別国会は延長してまで強行採決に及んだし、政令案は閣法と違い省庁間の意見のすり合わせも殆ど行われないまま、公表に至っている。大阪に拠点を持つ維新勢力にとって来春予定の「大阪都構想3度目の住民投票」に間に合わせることが最大のねらいのようで、わが国全体を見た国土形成への影響もかかるコストも議論なきまま、スケジュールありきで事が進んでいるように見える。

 

「政令」について、筆者は次のようにコメントしたい。

 人口や経済規模などの数値の根拠について納得できる説明がなく、4道府県に絞り込むための指定要件としか思えない。防災副首都の議論で最も大事な「副首都の地震、噴火、テロなど大規模災害に被災する可能性の低いこと」という要件が欠落している。

 副首都の役割を明確にしないままの誘致合戦に陥るのを避けるため、被災可能性の中身をもっと広げていかに国家の中枢機能を維持し、国民の安全安心を守るかという観点で議論すべきだ。

 指定に経済規模を高くして他地域を排除するのではなく、いざというときに複数の地域がそれぞれの特性を生かして協力し、多岐にわたる首都機能を代替できるよう備えることが大事であり、道府県という単位にこだわらず、広域的な圏域で副首都の整備計画や連携方法が採られる方向で考えるべきではないか」。

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