2022年2月11日金曜日

日本を元気にする切り札!廃県置州の決断


 日本を元気にする切り札!廃県置州の決断

 明治維新から150年の節目に当たった4年前。“西郷どん”こと西郷隆盛ら維新革命を興した人物がテレビなどで話題になり、各地で明治維新150年を祝う行事も行われました。明治維新へのこうしたノスタルジーは、日本にいま何となく漂う不安感、先の見えない閉塞感の表れなのかも知れません。その後のコロナ禍でより国民の閉塞感は強まっています。

そうした中、これから日本は、歴史上経験したことのない人口減少期に入って行きます。明治維新からここまで1世紀半、ひたすらヒトは増え、所得は増え、税収は増え、成長の続く「右肩上がり社会」でした。人口も1世紀で4倍に増えました。でも、この20世紀は異常な「人口大爆発」の世紀だったとも言えるかもしれません。

加えて、日本に人口の定員があるとすれば、定員オーバー、しかも国土の3.6%の狭い東京圏に国民の3分の1が住みつくという一極集中の異常さでした。

ですが、この先は坂を下るように人口が減り始め、年を追う毎に下り坂がきつくなっていきます。60年後は8000万人レベルかも。所得は増えず、税収は減る「右肩下がり社会」へ大きく変貌していくかも知れません。

沁みついたかつての成功体験に囚われることなく、次代に合うよう、いろいろな分野で見直しが必要になっています。いま政治に改革の機運はありませんが、人口減少時代を見据え、国と地方の統治システム全体を賢くたたみ、再構築する必要性は高まっています。

  時代は大きく変わっています。人口減少で「入れるもの」が小さくなっていくのに、「入れる器」が人口増時代のままというのは常識的に考えておかしい。移動手段が馬、船、徒歩の時代につくられた47都道府県という枠組みは、現在のクルマ、高速広域の時代にはどう考えても合っていません。人々の生活、経済の活動が「広域化」しているにも拘らず、行政の仕組みとりわけ都道府県は決められた「狭域化」の枠でしか活動できない。

 事実、いまの都道府県はあたかも47の国であるかのように振舞っています。ひところ、改革派知事らが中心になって東北、中部、関西、九州など幾つかの県をまとめる広域圏行政の仕組みを模索したことがありましたが、今は自治体主導によるこうした府県の地域連携は関西広域連合など一部を除きなくなっています。自県至上主義とでも言うか、自県のこと以外は知事も職員も議員もほとんど知らない。

隣の県の人口も計画も予算も関心すらない状況です。「私の県に来ないで下さい」「私の県から出ないで下さい」と47知事が叫ぶ昨今です。広域圏が形成され、人も企業も情報もカネも垣根なしに活動領域を広げているのに、地方自治の府県間の壁は実に高く厚い。

 47都道府県の横並び意識による「隣にあるからウチにもつくる」という「フルセット行政」の蔓延が日本の財政を悪化させている大きな要因でしょう。

広域圏に1つあれば十分な空港が各県に1つ2つとつくられ、米カリフォルニア州1州の面積しかない日本にヘリポートを除いても97もの空港ができています。しかも、その9割以上が赤字です。海外交易の拠点として大型船の出入りする基幹港湾も広域圏に1つあれば十分なのに、各県は競うように小舟しか入港できない小港を次々とつくってきた。結果、海運の国際競争力は落ち韓国、香港、シンガポールに交易の主力港を奪われています。

現状での狭域圏でのフルセット行政に、思い切った改革のメスを入れる。東京一極集中ではなく、日本全体に活力を生む統治の仕組みに変えなければなりません。広域化した地域圏に合うよう行政圏をリセットする、各広域圏が主体的に競うような形にすれば、活力が生まれます。県庁の職員らも狭い圏域に閉じ籠ることなく、広域圏化すればもっと能力を発揮します。古い上着を脱ぎ捨て、新しい上着を纏う。そうした新たな「国のかたち」をつくっていくことが、いま最も重要な政治の仕事ではないでしょうか。

   経済活動の範囲が広がり、人々の活動も広域化した今、自県に籠り自県のことだけを考えていても発展はありません。そうではなく、それぞれの県が持つ良さを広域圏の中で活かし、潜在的な資源、人材などを互いに出し合ってブレンドし、EU(欧州連合)のように相互の壁を取り払い、自由な交流と地域の魅力をアピールして攻勢に出るべき時です。世界がそうであるように、国内もいまやボーダレス社会です。経済圏と行政圏を一致させてこそ力が出ます。今のように行政が「都道府県」という高いボーダー(壁)を設け、自県至上主義よろしく自県に籠っている、これはどうみても異常であり時代の要請と大きくかけ離れています。

明治の「廃藩置県」が人口拡大期に備えた政治革命だったとすれば、未曽有の人口縮小期に備えた政治革命は「廃県置州」ではないでしょうか。日本を約10の広域圏からなる州とし、それぞれ内政の拠点として自立できるよう大胆に分権化する。すると内外に競争関係が生まれ、日本に活力が湧き出てきます。結果、ムダは省かれ、地方への分散も進みます。今の政令市や中核市をベースに地域発の目線で広域の州を構想すべきだと考えます。

この実現に国民は「サービスはよくなり税負担が増えないなら賛成する」のではないかと考えますが如何でしょうか。いま日本の行政のしくみは、国が1府12省の本省と多くの地方分部局、県が47都道府県と無数の出先機関、20の政令市と175行政区、一般の市区町村が1721と多くの出張所から成っています。

しかし、よく見ると、同じような仕事をしている機関も多く、二重、三重、四重に折り重なっています。このしくみを人口減少に合わせるよう簡素で効率的な適正規模に再編する、まさに「この国のたたみ方」革命が必要ではないでしょうか。

「廃県置州」を真剣に検討する、それには第3臨調の設置も必要ではないでしょうか。

#道州制 #廃藩置県 #廃県置州

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