2022年2月5日土曜日

頼れる各地の「道の駅」

「道の駅」に注目が集まっている。特に防災拠点、コンパクトシティの拠点として新たな役割が期待されているからだ。最近は“駅ばやり”。「まちの駅」「海の駅」「里の駅」「山の駅」「旅の駅」「庭の駅」「赤ちゃんの駅」など様々な駅がある。なぜこれだけ「駅」という言葉が使われるのか。むかし「駅」は宿場、うまやを指したがその後、鉄道の停車場(station)を指すようになる。ここに共通するのは人、馬、電車の“休みどころ”といったところ。だが最近これに「ふるさと創生の拠点」、ヒトやモノの交流の場、情報の発信地、小さな村の都心といった役割が加わってきた。

今度はこれに自然災害に対する防災拠点として「道の駅」が脚光を浴びるようになった「道の駅」は、24時間利用できるトイレや駐車場の設置、施設のバリアフリー化などを要件に主に市町村や第3セクターが整備し、道理管理を扱う国交省に登録しているもの。1991年に試験的につくられ103か所(93年)で始まったが、今では全国に1160ヶ所もある。各地にみる「道の駅」はデザインも規模も形態も機能も様々だが、商業施設や休憩施設に加えて「ふるさと産品の売店」、レストラン、お祭り広場、温泉、博物館なども加わり、「田舎の都会」風のおしゃれな“地方創生拠点”の風情を呈している。

もっとも今でこそ「道の駅」を知らない人はいないが30年前は違った。その頃、新橋の「集」という小さな飲み屋に大学教授や建築士、土木技師らが集まり、「日本の一般道にはトイレも休憩所もない」「これって非人間的で非衛生的だ」「これを民間の力で何とか変えられないか」「建設省に掛けあい説得しよう」との議論から生まれ出たのが道の駅。

 この「道の駅」が大きく変わろうとしている。国交省が災害時の拠点となる施設を持つ所を「防災道の駅」と認定し、補助金などで設備整備の助成を始めた。急増する集中豪雨や台風、地震の被害を道の駅を防災拠点化することで和らげようという考えからだ。既に道の駅は新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震などで、一時避難所、緊急車両の中継基地、物資供給の中継地点など災害支援としての運用実績がある。

 #まちづくり #防災拠点

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