2022年3月13日日曜日

集中から分散へ、官民の知恵でデジタル化に総力を!

             ◇分散化へチャンスを活かす
 日本は今、コロナ対策に限らず、財政危機も人口減少も経済崩壊もロシア情勢も緊急事態といえる状況だが、国会論議を聞いていても緊迫感が伝わって来ない。現場感覚が乏しい。まして東京一極集中の問題は議論自体ほとんどない。コロナ禍が終息したとしても、経済再生だけの話に止まり、喉元過ぎれば熱さを忘れるでは困る。
 若者の受験シーズンは終わり、就職期だが、元の3密都市東京に戻してはならない。
日本はカリフォルニア州1州ほどの小さな面積。コロナ感染拡大はその0.6%に過ぎない首都東京を直撃。人々は得体の知れない感染拡大に怯えた。馬、船、徒歩の頃の区割り、47の区割りの中で知事らは「私の所に来ないで下さい」「私の所から出ないで下さい」と叫ぶのが精一杯だった。根本的な解決の糸口の見えないまま事態は推移している。
 モータリゼーション、高度情報通信網、網の目のように張り巡らされた三大高速網の中、経済も生活も広域化しているのに、47区割りの壁を高くし、それぞれ一国の気分で自分の城を守ろうとする。狭域化した47都道府県での打つ手の効果は極めて疑問。広域圏行政、広域圏政府を持たないことの限界がハッキリした。
 コロナの蔓延は大都市の「3密」が大きな要因。一極集中構造の弱さ、この解消なくして第2、第3のコロナに襲われても打つ手を持たない。本格的な分散論議が必要な時だ。
 
            ◇移住希望者を後押しする政策を!
 Uターン、Iターンなど若い世代の「地方への移住希望」が増える動きにある。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部の調査(2020年5月)によると、
① 東京圏在住者の約半数が「地方暮らし」に関心を持つ。
② 地方圏出身者に限れば6割が関心を持ち、東京圏出身者の4割より高い。
 もう長距離通勤を余儀なくし都心のオフィスに集まらなくとも、仕事の成り立つ環境が整いつつあるという認識を多くが持ち始めた結果だ。
 移住先は今のところ東京圏と関東近郊が多いようだが、やり方次第ではもっと地方圏まで広がる。東京圏に住む20-30代の若い層の移住先は東京圏、地方圏が半々というが、40-50代の中年層になると東京圏より地方圏志向が上回る。移住先の生活として都市部にはない、ゆとりあるライフスタイルを望み、自然の魅力に惹かれるからだという。
 もとより、それを促進し定着させるには、雇用の場の拡大はもとより、医療、教育、文化など生活インフラの充実が欠かせない。この点、東京の持つ強みとの差は未だ大きい。この差を政策的に埋めていくことに力を注ぐ、それが国、自治体のやるべき課題。
 20代以下の世代では両親とも東京生まれがほぼ半数。団塊の世代のように地方にふるさとがあるという世代ではなく、東京圏にふるさとがあるという世代層の増加。
 この人々にどのように地方の良さを知ってもらうか。体験の機会拡大が大事では。高校や大学の進学先に地方を選ぶ仕組みを組み込む。古い話のようだが、戦前の旧制高校の仕組みはその動機付けのヒントになる。有名進学校を地方につくる、有名大学の地方分校をつくる。10代後半か20代前半の生活体験がその後の人生の選択に大きく影響する。
 
        ◇廃校舎、空き教室をサテライトオフィスに!
 また、通勤時間はテレワーク率の高い東京圏で減少しているが、このままの通勤時間の減少を望む人は7割近い。テレワークの拡大には「打ち合わせや意思決定の仕方の改善」「書類のやり取りの電子化」などの工夫も要るが、加えて社員にテレワーク補助として通信費の半額を会社が出す、それを政府が経費として非課税にするなどソフト面の税制による誘導策を加えたらどうか。
 地方はもとより郊外でも空き学校、空き教室が増えている。教育施設云々、補助金返還などと縦割り行政の発想を取り払い、地域の共有材として小中学校をサテライトオフィスに改装し、廉価に提供したらどうか。市町村長が決断すればすぐできる。
 デジタル庁はそうした改革を広げる契機となるはずだが、そうした声がまだ聞こえてこない。上から目線でなく、もっと現場を見よ!現場目線で民間、国民を巻き込んだ分散化の流れをつくることはできないか。官主導のデジタル化ではすぐに限界が来る。
♯サテライトオフィス #テレワーク #デジタル庁
https://www.sasakinobuo.com/



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